リモートワーク時代の傾聴術:オンライン1on1面談で信頼を深める方法

  • LINEで送る

コロナ禍以降、リモートワークが急速に普及し、対面でのコミュニケーションの機会が減少しました。その結果、チームの一体感の醸成や信頼関係の構築が難しくなっていると感じている管理職の方も多いのではないでしょうか。

特に1on1面談のようなコミュニケーションの場では、対面時と同じように部下の気持ちや状況を理解することが困難になっています。画面越しでも相手の心に寄り添い、信頼関係を築くためには「傾聴」のスキルがこれまで以上に重要になっているのです。

傾聴とは単に「黙って聴く」ということではありません。相手の言葉に耳を傾け、その背景にある感情や考えを理解し、適切に応答することで信頼関係を構築していく技術です。リモート環境では非言語コミュニケーションが制限される分、より意識的な傾聴が必要とされます。

本記事では、オンライン1on1面談で実践できる傾聴テクニックや、リモート環境でも部下との信頼関係を深める方法について詳しく解説していきます。管理職としてのコミュニケーション力を高め、チームの生産性と満足度を向上させたい方は、ぜひ最後までお読みください。

1. リモートワークでも部下との信頼関係を築く!オンライン1on1で実践したい5つの傾聴テクニック

リモートワークが一般化した現在、管理職の多くが直面している課題がオンラインでのコミュニケーションです。特に1on1面談では、物理的距離があるためか部下との信頼関係構築に苦戦しているマネージャーが増えています。実際、米国のギャラップ社の調査によれば、リモートワーク環境下でエンゲージメントが低下したチームの87%が「上司とのコミュニケーション不足」を理由に挙げています。

そこで効果を発揮するのが「オンライン傾聴」のテクニックです。画面越しでも心理的安全性を確保し、部下の本音を引き出すための具体的方法を5つご紹介します。

まず第一に「目線の合わせ方」です。カメラを見ることで相手に「見られている」という安心感を与えられます。時折メモを取る際も「少し記録していいですか」と一声かけるだけで、話を大切にしている印象を与えられます。

二つ目は「デジタルノートの活用」です。Google DocsやNotionなどの共有ツールに、会話のポイントをリアルタイムでメモする方法です。これにより「ちゃんと聞いている」という証拠になり、後日のフォローアップも容易になります。

三つ目は「沈黙の活用」です。オンライン会議では沈黙が不自然に感じられがちですが、あえて3〜5秒の間を作ることで、部下が考えをまとめる時間を提供できます。マイクロソフト社の研究によれば、この「待つ」テクニックによって部下からの情報量が約30%増加したとのデータもあります。

四つ目は「非言語サインへの注目」です。対面と違い、オンラインでは表情の変化や姿勢の微妙な変化を見逃しがちです。画面サイズを大きくし、相手の表情の変化に注意を払いましょう。特に話題が変わった瞬間の反応は重要なヒントとなります。

最後は「定期的な確認質問」です。「今話したことで、もう少し掘り下げたい点はありますか?」「私の理解で合っていますか?」といった確認を入れることで、部下は「自分の話が大切にされている」と感じます。IBM社の内部調査では、このような確認プロセスを取り入れたマネージャーのチームは生産性が15%向上したという結果も出ています。

これらのテクニックを意識的に取り入れることで、画面越しでも温かみのある1on1が実現できます。次回のオンライン面談では、ぜひ実践してみてください。

2. 画面越しでも心は通じる!リモートワーク時代に管理職が身につけるべき傾聴スキルとその効果

リモートワークが常態化する中、管理職にとって部下との信頼関係構築は一層重要になっています。対面でのコミュニケーションが減少した今、画面越しでも心を通わせる傾聴スキルは必須のマネジメントツールです。

オンラインでの傾聴には「積極的傾聴」が効果的です。これは単に黙って聞くだけではなく、相手の話に完全に集中し、言葉の奥にある感情や意図を理解する姿勢のことです。Microsoft社の調査によると、マネージャーが傾聴スキルを高めたチームでは、メンバーの満足度が37%向上し、離職率が25%減少したという結果も出ています。

具体的なオンライン傾聴のポイントとしては、まず「デジタルアイコンタクト」があります。カメラを見て話すことで、相手に「見られている」実感を与えられます。また、ビデオ会議中は通知をオフにし、画面共有やチャットなど他の作業を一切せず、100%その会話に集中する環境作りも重要です。

さらに、オンラインでは非言語コミュニケーションが限られるため、「反射的傾聴」を意識的に行いましょう。「なるほど、〇〇という状況に直面しているんですね」など、相手の発言を言い換えて返すことで、正確に理解していることを示せます。Google社のProject Oxygen研究でも、優れたマネージャーの特性として「傾聴能力」が上位に挙げられています。

また、画面上では沈黙が対面以上に不安を生みやすいですが、適切な「間」も大切な傾聴要素です。相手が考えをまとめる時間を尊重し、すぐに発言で埋めようとしないことで、より深い対話が生まれます。Zoomなどのビデオ会議では、意識的にうなずきや相槌を増やすことも効果的です。

リモートワーク下での傾聴スキル向上は、単なるコミュニケーション改善だけでなく、チームの生産性向上にも直結します。Gallup社の調査では、上司に「話を聞いてもらえている」と感じる従業員は、そうでない従業員と比較して4.6倍高い生産性を示したというデータもあります。

傾聴スキルは練習で向上します。日々の1on1ミーティングで意識的に取り入れ、部下からのフィードバックも定期的に求めることで、リモート環境でも心の距離を縮められる管理職へと成長できるでしょう。

3. オンライン1on1を成功させる鍵は「聴く力」にあり!リモート環境で部下の本音を引き出す傾聴術

リモートワークが普及した現在、オンライン1on1面談は上司と部下のコミュニケーション維持に不可欠となっています。しかし画面越しのやり取りでは、対面時よりも微妙なニュアンスや感情を読み取りにくいという課題があります。この壁を乗り越え、真に価値ある1on1を実現する鍵は「傾聴力」にあります。

まず重要なのは、カメラをオンにして「目を見て」話を聴くことです。相手の表情を見ながら、適切なタイミングでうなずいたり相槌を打ったりすることで、「あなたの話をしっかり聴いていますよ」というメッセージを伝えられます。Microsoft TeamsやZoomなどのツールでは、自分の映像も画面に表示されるため、自分の表情や姿勢も意識するとよいでしょう。

次に実践したいのが「沈黙の活用」です。対面と異なり、オンラインでの沈黙は不安を生みやすいものですが、あえて3〜5秒の沈黙を作ることで、部下が考えをまとめたり、言いづらい本音を話したりするきっかけになります。「急かさない」姿勢が、深い対話につながるのです。

また「復唱」も効果的です。「今おっしゃったのは〇〇という課題についてですね」と相手の言葉を要約して返すことで、理解を確認するだけでなく、部下に「ちゃんと聴かれている」という安心感を与えられます。特にリモート環境では通信トラブルなどもあるため、この確認プロセスが一層重要になります。

質問の仕方も工夫しましょう。「はい・いいえ」で答えられる閉じた質問ではなく、「その時どう感じましたか?」「他にどんな選択肢を考えましたか?」といった開かれた質問を投げかけることで、会話が広がります。

さらに、IBM社のマネージャー研修で推奨されている「WAIT(Why Am I Talking?)」の原則も意識すると良いでしょう。「なぜ自分が話しているのか?」と自問することで、話しすぎを防ぎ、聴くことに集中できます。リモート1on1では、管理者が一方的に話してしまう傾向がより強まるため、特に重要な心がけです。

最後に忘れてはならないのが「環境づくり」です。通知をオフにし、メールやチャットを確認しないなど、集中できる状態を作りましょう。これは対面でも同じですが、リモートではより意識的に行う必要があります。

傾聴は単なるテクニックではなく、「相手を大切にする」という姿勢の表れです。画面越しでも、この姿勢が伝われば、部下は安心して本音を話してくれるようになります。オンライン1on1を通じた信頼関係の構築が、分散型チームのパフォーマンス向上につながるのです。

傾聴心理師 岩松正史

『20年間、傾聴専門にお伝えし続けている心理カウンセラー』

一般社団法人日本傾聴能力開発協会 代表理事。
毎年300回以上研修や講演で登壇し、東京で認定傾聴サポーター®の育成、カウンセラーなどの相談職の方の指導、企業向け研修や、社会福祉協議会でボランティアの育成をしています。

2つの会社を起業。元々は某コンビニチェーン本部で年商一億のノルマに取り組む営業、Webプログラマーに転職後、失業も経験したのちに心理カウンセラーに転身した経験から、気持ちという感覚的な正解を、理屈も交えて楽しく学べると人気の講師。

・公認心理師、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー
・引きこもり支援NPO相談員7年
・若者サポートステーション・カウンセラー(厚労省)
・東京都教職員アウトリーチ・カウンセラー(教育庁)

  • LINEで送る