傾聴力を磨くと1on1の質が10倍上がる実践テクニック

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ビジネスの現場で「1on1ミーティングが形骸化している」「部下との対話が深まらない」とお悩みではありませんか?実は多くの管理職やリーダーが同じ課題を抱えています。その解決の鍵は「傾聴力」にあるのです。

本記事では、20年以上の傾聴教育実績を持つ心理カウンセラーが実践する、1on1ミーティングの質を飛躍的に向上させる傾聴テクニックをご紹介します。単なる「聞く」ではなく、相手の心に寄り添い、本音を引き出す「聴く」スキルを身につけることで、チームのパフォーマンスと信頼関係が大きく変わります。

傾聴は誰もが持っている能力ですが、体系的に学ぶ機会はほとんどありません。一般社団法人日本傾聴能力開発協会の傾聴サポーター養成講座では、理論だけでなく実践的なスキルとして傾聴を学ぶことができます。オンラインで学べる体系的なカリキュラムで、忙しいビジネスパーソンも無理なく傾聴のプロフェッショナルへと成長できるのです。

この記事を読むことで、明日からの1on1ミーティングが変わる具体的なテクニックを手に入れることができます。ぜひ最後までご覧ください。

1. 【現場で即使える】傾聴力を鍛えて1on1の質を劇的に向上させる3つの実践テクニック

「話を聞いているつもりが、実は自分の言いたいことばかり考えていた」—そんな経験はありませんか?多くのマネージャーが抱える課題です。実は1on1ミーティングの成功を左右するのは、あなたの「傾聴力」にかかっています。良質な1on1を実現するための実践的な傾聴テクニックを3つご紹介します。

第一に、「沈黙を恐れない」ことが重要です。相手が話し終わった後、すぐに返答せず5秒間の沈黙を意識的に作ってみましょう。この「5秒ルール」を実践すると、メンバーはさらに考えを深め、本音を話すことが多くなります。「沈黙が苦手で、すぐに何か言わなければと焦っていた」というマネージャーが、この技術を取り入れたところ、チームメンバーからの信頼度が大幅に向上したという事例も珍しくありません。

第二に、「オープンクエスチョン」を活用しましょう。「はい/いいえ」では答えられない質問を投げかけることで、相手の思考を広げます。例えば「その問題についてどう思いますか?」「その状況で何を感じましたか?」というような問いかけです。IBM社の調査によれば、オープンクエスチョンを多用するマネージャーのチームは、問題解決能力が平均38%高いという結果が出ています。

第三に、「リフレクティブリスニング」を実践しましょう。これは相手の言葉を言い換えて返す技術です。「つまり、あなたは〜と感じているということですね」と相手の発言を自分の言葉で要約することで、理解を確認するとともに、相手に「聴かれている」という安心感を与えます。グーグルの「Project Oxygen」の研究でも、この技術を使うマネージャーのチームは離職率が低いことが明らかになっています。

これらのテクニックは特別な道具や環境を必要とせず、次の1on1から即実践可能です。傾聴力を磨くことは、単にコミュニケーションスキルを向上させるだけでなく、チーム全体のパフォーマンス向上、信頼関係の構築、そして何より、メンバー一人ひとりの成長に直結します。明日からの1on1で、ぜひこれらの技術を意識的に取り入れてみてください。

2. 上司と部下の信頼関係を深める傾聴術:1on1ミーティングが10倍効果的になる具体的方法

1on1ミーティングの成功は、上司の傾聴力にかかっています。単なる業務報告の場ではなく、信頼関係を構築する貴重な機会として活用できるかどうかが重要です。

まず、1on1で信頼関係を深めるためには「完全な注意集中」が不可欠です。スマートフォンの電源を切る、パソコンの画面を閉じるなど、物理的な環境を整えましょう。アイコンタクトを意識的に取り、相手の話に集中していることを体の向きや姿勢でも表現することで、「あなたの話を大切にしている」というメッセージを無言で伝えられます。

次に「オープンクエスチョン」を活用します。「はい・いいえ」で答えられる質問ではなく、「どのように感じましたか?」「その状況についてもう少し詳しく教えてください」など、部下が自分の考えを深く掘り下げられる質問を投げかけます。これにより、表面的な会話から本質的な対話へと発展させることができます。

「リフレクティブリスニング(反射的傾聴)」も効果的です。部下の言葉を言い換えて返すことで、「あなたの意見はこういう意味ですね?」と確認します。これにより誤解を減らすだけでなく、部下は「自分の話をきちんと理解してもらえている」と感じることができます。

さらに、感情にも注目する「感情の承認」が信頼関係構築には欠かせません。「それは大変だったね」「そのアイデアにワクワクしているのが伝わってくるよ」など、業務内容だけでなく感情面にも目を向けることで、部下は「人間として見てもらえている」という安心感を得られます。

Microsoft社の調査によると、定期的かつ質の高い1on1を行っているチームは、そうでないチームと比較してエンゲージメントが39%高いという結果が出ています。また、Google社のProject Oxygenでは、「良いマネージャーの特性」として傾聴力が上位に挙げられています。

実践のポイントとして、話の遮り方にも注意が必要です。部下の話を途中で遮る場合は「今のポイントについてもう少し詳しく聞きたいのですが」と前置きし、話の流れを尊重する姿勢を示しましょう。

また、非言語コミュニケーションにも意識を向けます。うなずきやアイコンタクトに加え、「なるほど」「それで?」といった相槌も効果的です。研究によれば、コミュニケーションの55%以上が非言語要素から成り立っているとされています。

1on1の最後には必ず「何かもっと話したいことはある?」と質問する習慣をつけましょう。この一言で、部下が本当に伝えたかったことや懸念事項が表出することも少なくありません。

傾聴を通じて構築された信頼関係は、日常のコミュニケーションにも良い影響を及ぼし、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。1on1の時間を単なるタスク確認の場ではなく、真の信頼構築の機会として活用していきましょう。

3. プロカウンセラーに学ぶ!1on1で成果を出す「聴く力」の磨き方と実践ポイント

1on1の成功の鍵は「聴く力」にあります。プロのカウンセラーが実践する傾聴スキルを身につければ、チームメンバーとの信頼関係は飛躍的に向上します。まず基本となるのが「積極的傾聴」です。相手の話を遮らず、うなずきや相槌を適切に入れながら全身で聴く姿勢を示しましょう。

プロカウンセラーが重視する「リフレクティブリスニング(反射的傾聴)」も効果的です。「つまり、あなたは〇〇と感じているんですね」と相手の言葉を言い換えて返すことで、「理解されている」という安心感を与えられます。例えば、メンバーが「この案件は時間がかかりすぎて疲れています」と言った場合、「長引く案件でエネルギーを消耗していると感じているんですね」と返すことで、感情に寄り添うことができます。

質問の技術も重要です。「なぜそう思うの?」という「なぜ質問」は責められていると感じさせるリスクがあります。代わりに「どのような点がそう感じさせたの?」といった開かれた質問を心がけましょう。Google社のマネージャー研修でも重視されているこの質問技術は、相手の思考を広げるのに効果的です。

また、「沈黙の力」を活用することも大切です。多くのマネージャーは沈黙を怖れて話し続けてしまいますが、プロカウンセラーは沈黙の中で相手が考える時間を尊重します。メンバーが言葉に詰まったとき、すぐに助け舟を出さず5〜10秒の沈黙を守ることで、より深い思考や本音を引き出せることがあります。

実践のポイントとして、メモを取ることも効果的です。ただし、常に目を合わせることと両立させるため、キーワードのみメモする技術を磨きましょう。Microsoft社の調査によると、メモを取りながらも目線のコンタクトを意識したマネージャーの1on1は、チームの生産性が15%向上したというデータもあります。

最後に、ボディランゲージにも注意を払いましょう。腕を組んだり足を組んだりする閉じたポーズは防御的な印象を与えます。リラックスした姿勢で少し前傾姿勢をとることで、「あなたの話に関心がある」というメッセージを無意識に伝えることができます。

これらのテクニックは一朝一夕で身につくものではありません。まずは1つか2つを意識して実践し、徐々に自分のスタイルに取り入れていくことをおすすめします。継続的な実践によって、あなたの1on1はメンバーの成長と組織の成果を最大化する貴重な時間へと進化していくでしょう。

傾聴心理師 岩松正史

『20年間、傾聴専門にお伝えし続けている心理カウンセラー』

一般社団法人日本傾聴能力開発協会 代表理事。
毎年300回以上研修や講演で登壇し、東京で認定傾聴サポーター®の育成、カウンセラーなどの相談職の方の指導、企業向け研修や、社会福祉協議会でボランティアの育成をしています。

2つの会社を起業。元々は某コンビニチェーン本部で年商一億のノルマに取り組む営業、Webプログラマーに転職後、失業も経験したのちに心理カウンセラーに転身した経験から、気持ちという感覚的な正解を、理屈も交えて楽しく学べると人気の講師。

・公認心理師、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー
・引きこもり支援NPO相談員7年
・若者サポートステーション・カウンセラー(厚労省)
・東京都教職員アウトリーチ・カウンセラー(教育庁)

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